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1月25日(木)新宿PIT INNにて「けもの」ライブ。

1月25日(木)新宿PIT INNにて「けもの」ライブ。

けものは青羊(あめ)さんのソロユニット。出会いはTBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」のゲストに青羊さんが登場した時。彼女は菊地成孔のレーベルからアルバム「めたもるシティ」を出したばかり。そして彼女は釜石出身。

ジャケットのイラストは「ときめきトゥナイト」の漫画家池野恋さん(花巻市石鳥谷町出身)が描いているし、アルバムの中の「フィッシュ京子ちゃんのテーマB めたもバージョン」という楽曲では花巻市出身の南部ひろみアナウンサーとも共演している。

そんな「けもの」。アルバムを聴いてそのサウンドに惹かれてしまった。

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新宿PIT INNはジャズの聖地。大雪の後だったから足元が悪かったけれど、建物の中は多くのファンでちょっと温まっていた。

ライブ。スレンダーな主人公・青羊(あめ)さん登場。

全体的に黒いコスチュームで、トップスはレースでシック。袖がトランペットのように広がっているのが、ちょっとお姫様風。ボトムはシンプルな黒いパンツ。
「こんないいお天気で」と、実は天候が悪かったのだけど、逆説的にお話になった。でも私は彼女の不器用だけどお客さんを喜ばせたい、とした気持ちがわかって嬉しくなった。

音楽が始まると、彼女はきりりとした。曲は「めたもるシティ」から。
キーボードはエレクトリック・ピアノで、ちょっと80年代っぽい懐かしさを感じる。そこに力強いベースとドラム。ラジオで菊地成孔さんが「このキナ臭い世の中で能天気な音楽」と表現した「けもの」のサウンド。全体的に浮遊感があり、色で言えば「キキララ」の薄いピンクと水色だろうか。その色は青羊さんのあくまでも透明な声に起因している。弱々しくなく、張り上げるわけでもない、真冬の早朝の空気のようなピンと張り詰めた、清々しい音色。ホワンとした楽曲に透明な声が、「山」に「川」の合言葉のようにすんなりはまる。

ちょっと休憩が入って、私はお隣の青年と、ちょっとしたきっかけで「ブリューゲル」や「ボス」や「赤瀬川原平」の話で盛り上がった。今年の年賀状の写真を見せたら、褒めてくれた。こんな出会いもあるのか。

ライブ後半は、トオイダイスケ氏の登場。ちょっとたどたどしいけれど、面白いやり取りが二人の間で交わされ「フィッシュ京子ちゃんのテーマB めたもVer.」。
この曲でトオイダイスケ氏はナレーションで共演。SFちっくな曲で、ナレーションの内容も未来的なので、トオイダイスケ氏はちょっと照れながら担当していた。実はトオイダイスケ氏は「めたもるシティ」のほとんどの楽曲の編曲も手がけた、気鋭のアーティスト。(翌日は同じ会場で菊地成孔氏と共演の予定だった)

けもののサウンドは、どこにも「湿り気」が感じられず、ポップだ。なのに、途中でどこかでスイッチが入って、ぼろぼろ涙が出てしまった。それはその日の午前に上司からOさんの死を知らされたばかりだった。
「私は一人でこんな気持ちの良い音楽を聴いている!」という申し訳なさでいっぱいになったからだ。不完全ながらも、私は生きている。同じ花巻出身の才気あふれる女性の音楽を聴いている。これから、心細いけれどもOさんの分も生きていこうと思った。

「けもの」の青羊(あめ)さんは、「こんな世の中だからこそ(能天気な)音楽を作る役割があると思う」と、ラジオで菊地成孔氏に答えていた。

けものは精力的にコンサートを行っている。近々盛岡でもライブを行う。なんと菊地成孔さんも一緒だ。
岩手、盛岡の人だけではなく、北上の人も秋田の人も青森の人も仙台の人も台湾の人もどうぞどうぞいらしてくださいませ。

けもの公式ホームページ⇩

http://kemonoz.com/

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