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見たかった映画、「聖の青春」

2016年
11月30日。

何かと話題の「この世界の片隅に」。上映館が増えそうで、嬉しい限りです。主人公役ののんさんが決まったのが、7月。他の声優さんの録音が6月に済んだ後だったので、何とのんさんは、単独で(他の方の声に合わせて)すずさんの声を演じたそうです!すごい演技力。

「この世界の片隅に」は、昨年から完成を楽しみにしていた映画でした。でも、それ以上に楽しみにしていた映画があります。
「聖(さとし)の青春」
松山ケンイチくんが役作りのために体重を増やしたことで話題になっていました。

Dsc_1678 http://satoshi-movie.jp/
主人公は村山聖。実在した棋士です。

Dsc_1742_2

村山聖のプロフィール

1969年広島生まれ。5歳の頃ネフローゼ症候群と診断され、入退院を繰り返す。小学校の途中から病院内学級に転校する。病院内で将棋と出会い、自由時間の全てを将棋に費やし、月3回の外出日には、対局するアマ3段の大人を負かすようになる。

11歳。中国子供名人戦で優勝。

13歳。中学校に進学。大阪行きとプロ棋士への思いを募らせる。森信雄四段に弟子入り。

17歳。四段昇段、プロ棋士となる。
同時期のライバルに佐藤康光九段、森内俊之九段、郷田真隆王将、先崎学九段、そして羽生善治王位・王座・棋聖がいた。
18歳で羽生善治と同時にC級1組に昇級。五段となる。「東に天才・羽生がいれば、西に怪童・村山聖がいる」と、注目される。

28歳。竜王戦1組での羽生戦で”7五飛”という伝説的な名手を放ち快勝。聖の生涯を代表する名局と言われる。

膀胱癌で余命半年の宣告。周りの説得もあり、膀胱摘出手術を受ける。

29歳。3月。NHK杯決勝を羽生と戦う。二人の最後の対局となる。

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           NHK杯での村山聖。「将棋フォーカス」より。

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同じく対戦相手の羽生善治。

8月8日「8六歩、同歩、8五歩…2七銀」が、最後の言葉。

死因は進行性膀胱癌。

ネフローゼ症候群とは、尿の中に大量の蛋白質が出てしまい、それに伴って血液中の蛋白質が減少するため、浮腫

(ふし

(むくみ)、血液中のコレステロールなどの脂質の上昇等が現れる病気。

村山聖さん御本人は、病気のせいで顔がむくんでいて可愛らしい感じの方。「プロの対局を批評させたら、あんな面白い人はいなかった。」と、先崎学九段。村山さんは赤ワインが好きで、少女漫画も愛読していた。病身だが、仲間との麻雀もよくしたそうだ。

映画の冒頭のシーンが素晴らしい。桜の花びらが散る中、公園前に身を投げ出す主人公(まるで泥酔したサラリーマンのように)。近所の男性(中本賢)の肩に身を任せて、軽トラに乗せてもらい、病院へ着いたと思ったら、そこは将棋会館。

村山聖の病気の重さ(歩くこともままならない)と、将棋の対局への並々ならぬ意志、将棋盤に向かうと別人になる彼の姿で、村山聖という人格を全て見せてくれた。

実は、私は原作「聖の青春」(大崎善生著)も読んでいたし、それを原案にした漫画「聖ー天才・羽生が恐れた男」(山本おさむ作)も全巻持っている。だから、当時(コミックスは2000年発行)は村山聖の生涯に夢中になり、森信雄との師弟愛、将棋の世界の厳しさに憧れを抱いていた。

この度、大好きな村山聖が映画化される。しかも松山ケンイチが彼を演じる、というので、何ヶ月も前から楽しみにしていた。漫画も映画の前に全九巻おさらいした。

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久しぶりに「村山聖」を身体に入れたかったから。電車の中で(何度も読んでいるのに)涙が出てしまった。

映画は、原作や漫画の、少年時代や森信雄との師弟愛

の描写は、少なくして、最後の4年間を重点的に描いていた。

ライバルというか、「憧れの」羽生善治との戦い、同じ高みに立とうとするプロ同士だけがわかる景色。二人の初デートのような会話が美しい。

それは、友情というのは違う。もっと崇高な気がする。
監督は「ひゃくはち」、「宇宙兄弟」の森義隆。一つの目的に切磋琢磨する男同士の友愛を、描いてきた。
「聖の青春」でも、子供時代の病気の描写は極力少なくして、晩年の死力を尽くした対局と、羽生をはじめとしたライバルたちとの交流に重点が置かれている。
松山ケンイチは、この役を切望したという。自ら体重を増やし、将棋会館に通い、将棋の駒を常に持ち、差し手が自然になるよう、努めた。
羽生善治役の東出昌大は、将棋が好きで、羽生役は誰にも渡したくない!と思っていた。だからか、二人の役づくりには、圧倒される。
長く伸ばしていた爪を切り、髪を切った後に対局に挑む松山ケンイチが村山聖と完全に重なった。
クライマックスの対局は、実際に二人が本物の棋譜で対局したそうだ。一手一手の意味を知り、それに心を込める。このシーンだけでも、圧巻だ。
来年公開される「3月のライオン」も将棋を題材にしている。原作は羽海野チカ 作の漫画だが、その中で主人公・零の友人、棋士・二階堂晴信がとてもチャーミングだ。
腎臓の病気を持っている、ぽっちゃり型の二階堂。でも、誰よりも熱い。二階堂を漫画で見た時、「村山聖が生き返った!」と、嬉しかった。
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羽生善治も、「3月のライオン」の登場人物では、二階堂が一番好きだという。

さて、我が家のクリスマスリース。昨年よりリンゴがちょっと増えました。
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