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りろ書房の御夫妻〜宮沢賢治の本を借りる〜1

2015年
10月5日(月)

仕事を辞めて、まだ間もない5月のある朝のこと。

「りろ書房」のおじさんが夢に出て来た。
夢の中のおじさんは、元気がなかった。

元気がない、というより悲しい雰囲気だった。

私はなんだか胸騒ぎがして、思い切ってりろ書房の御夫妻のお宅を訪ねた。

初めてインターホンを押す。

は〜い
おばさまが明るく出てきた。良かった!

夢の話をしたら、
まぁ、うれしいわ〜!健介さ〜ん!
良かった!おじさんは元気だ。
「2階にどうぞ〜」
とおばさんに誘われるまま、木の階段をギシギシ登る。

踏みづらが狭い懐かしい階段だ。

おじさん!お二人とも、変わらずお元気なので嬉しくて仕方がない。
522
2015年5月22日 「りろ書房」川西夫妻

おばさんは私をベランダに案内してくれた。
Photo                        ゼラニウムがいっぱい!
「私もこの花は大好きです。」
「いいでしょう?丈夫だし、どんどん大きくなるのよ!」
と、私の背丈くらいににょきにょきと伸びたゼラニウムを見せてくれた。

Photo_2

ゼラニウムは赤が好き。(「ピーターラビット」にも描かれている)

コーヒーとおせんべいをごちそうになって、おばさんとおしゃべり。

「お店をやめて寂しくないですか?」

「自由よ〜。起きたい時に起きて、食べたい時に食べて。」

それからおばさんと「冬の旅」の話をした。

2012年5月18日。ドイツが誇るバリトン歌手、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウが亡くなった。(86歳)

数日後「りろ書房」に行ったら、おばさんが熱心にラジオを聴いていた。

「うれしいわ〜。ず〜っとフィッシャー=ディースカウの曲を流してるの!」

FMで追悼番組を放送していたのだ。私の母と姉が、フィッシャー=ディースカウの「冬の旅」(シューベルト作曲)が好きなので、その話をしたら、

「私も『冬の旅』、だいだいだ〜い好き!毎年東京文化会館へ『冬の旅』を聴きに行くのよ!」

と、乙女がアイドルの話をするように話すからびっくりした。そして凄く嬉しかった。

母と話してるみたいだったから。

(「毎年東京文化会館へ『冬の旅』を・・・が気になって、「東京文化会館 冬の旅」で検索したら、東京文化会館で確かに「冬の旅」のコンサートがあった。

プラチナシリーズ 2014年1月31日はシューベルトの生誕の日。「冬の旅」を、松本隆訳の日本語版と、ドイツ語版の2つの言葉でお届けします。と。こんな贅沢なコンサートがあったのか!)

おばさんはどうやら音楽を専門に学んでいたようで、歌も好きだ。

「りろ書房」の最後の日に、私がお店で(!)「しかられて」を歌ったらとても喜んでくれた。

私にとって「とまり木」のような「りろ書房」がなくなって胸にぽっかり穴が空いてしまったが、こうやって久しぶりにお話ができて胸がいっぱいになる。

「そうそう、りろ書房が閉店する時に健介さんから宮沢賢治の本(宮沢賢治全集第五巻と第六巻 筑摩書房)を頂いて。」

「あぁ、あなたと健介さんは宮沢賢治で繋がっていたわね。」

ここからはおじさんとおしゃべり。

「その本の冊子(「イーハトヴ通信」)に高校時代の恩師(吉見正信氏。今年宮沢賢治賞を受賞した、宮沢賢治研究者)が寄稿してました!」

「私の故郷は早池峰山の麓の大迫町なんですよ。」

「早池峰山・・・」

とつぶやきながら、おじさんは奥から本をスッと出して来た。

「この本をお貸ししましょう。あげるんじゃないですよ。」

「はい!」

Photo_4

山と森の旅・童話の舞台」(左)と 「山と雲の旅・童話と詩の舞台

どちらも金子民雄著(れんが書房新社)

「賢治童話の故郷・思索と幻想の旅 賢治童話に魅せられ、その舞台を探して賢治の足跡をたどり、岩手の山野を渉猟するロマンの旅ー(中略)あなたを幻のイーハトーブへいざなう、旅のエッセイ。著者自筆挿画多数入」(帯より)

賢治の舞台を探して、著者が直に現地を歩き、賢治の詩や童話との関係を丁寧に追ってゆく、賢治への「愛」も感じられる誠実なエッセイ。

著者の賢治作品を読み込んだ上の深い考察にもため息が出るが、この本の魅力は著者自身による繊細なペン画だ。

特に右の「山と雲の旅」には驚いた。冒頭から早池峰山が出て来る。

「マグノリアの木」という童話の舞台はインドだが、著者金子氏によると、

「わたしにはその舞台のモデルが早池峰山周辺の山岳地帯だったという捨てがたい印象がある。」

Photo_5

                        春の早池峰山

となる(詳しくは後日)。故郷の山について、都会の片隅の本屋さんの御主人に教えてもらうという、不思議な御縁。

あの夢は、逆夢だった。

「ありがとうございます。読んだらお返ししますから!」

と約束したのはいいが、それから私は庭仕事や例の門扉のペンキ塗りなどに邁進していて、本の方は随分後回しになってしまった。

ブログに記事を書いてから返そうと思っているうちに、月日は流れてしまった。

おじさんは怒り心頭だろうか。だから急いで書いている。

Photo_3

また、手作りの花のしおり(!)と、新宿高野のフルーツチョコレートをいただいた。

つづく。

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コメント

夢の中に・・・・・って私はあまり経験がないんだけど・・・・・私の叔母が・・・・・coldsweats01
私が夢の中に結構出てくるようでそのたびに電話をしてきたんですtelephone
私は久しぶりに聞く叔母の声が嬉しかったんですが、叔母にとってはすっごく真剣な電話でしたwobbly
その叔母も今では施設に入っているので連絡もできませんが・・・・・confident

http://www.fmii.co.jp/ihatovtalk/
ラジコでどうぞ♪

里山さん、こんにちは。
叔母さまは里山さんの事を、色々思っていらっしゃるのでしょう。
それで変な夢を見たのかもしれません。
私はやっと此の頃亡くなった父の夢を見ます。

「要らない情報だったら・・・」さん、はじめまして。
FM岩手で「いーはとーぶトーク」という番組があること。
そして、吉見正信さんがトークをしているということ。
大変嬉しい情報です!!
ありがとうございます!!

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