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さようなら、りろ書房

11月7日(木)
この年になると霊感が働くのか、偶然の出会いが多くなる。

いつぞやは新宿のベルクというお店で相席になった女性に、つい
「顔のホクロを取りたいんです」と告白したら

「それはいけません。私の妹はホクロをとったら酷い目に合いました。」

と止められ、思いとどまったことがあった。

Photo

このガラス戸入ってすぐの席。

「サカキノホトンブログ」よりhttp://hotonbu.blog.shinobi.jp/%E6%97%A5%E8%A8%98%20%EF%BC%9A%20%E6%98%AD%E5%92%8C%E3%81%AA%E5%96%AB%E8%8C%B6%E5%BA%97/%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%81%A7%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%BC%EF%BC%81

最近もそんな出会いがあった。台風26号の合間に乗車した小田急線の急行。
すし詰めの車内。目の前に小学校高学年のお嬢さんとその母親らしき人が。
娘はゲームに夢中。鞄を手元に引き寄せて親子に空間をちょっぴりゆずってあげたら、

母親の方に声を掛けられた。
「素敵なしおりですね。」

Photo

手に持っていた文庫本としおり。
「毛糸で編んでるんですね。いいですね〜。」
「あぁ、これは和泉多摩川駅のりろ書房のおばさんが編んだ物です。」
たくさんあるからどうぞ、と彼女にプレゼントした。

彼女は手芸が得意らしく、似たような物を作りたい、と言っていた。

私はりろ書房が最近では「婦人画報」11月号に載っていることや、
かつて「暮らしの手帖」にも載ったこと、「ガイアの夜明け」に出たことも付け加えた。
「そんな有名なお店なんですかぁ。」と、

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Photo_2

彼女は感心したように言った。

上の写真にはさんでいるのは、同じような青のしおりを後からはさんだのだ。

りろ書房のおばさんとおしゃべりしたくて、お店に入る。

話は面白いけど、1冊何か買わなきゃ・・・と探して探してやっと決めたのが

「お江戸でござる」(杉浦日向子監修)。

「あら〜、日向子さんはいいわね〜。あなた日向子さんに感じが似てるわよ。」

と、おばさんは嬉しい事を言う。

そして本の色に合った、青色の毛糸で編んだしおりをくれた。

おばさんにとって「いい本」を買うと、お手製のしおりをくれるのだ。

りろ書房とは、子育て中に「母の友」を注文していた頃からだから、

もう20年近いおつきあい。(おばさんは「母の友」を注文した私を『いいお母さん』といつも褒めてくれる)

そんなりろ書房が、11月いっぱいで閉店することが決まった。

Photo_3 おとといの夜、思い立って新宿の歌声喫茶「ともしび」の歌本をおばさんにプレゼントしようと、りろ書房に行ったら貼ってあったのだ。

あまりのショックで涙が出てきた。

「なによ!泣いたりして!あなた強いのに。」

夕飯の買い物をして帰る途中、ついつい用もないのにふらりと立ち寄るりろ書房。

目的は本ではなくて、おばさん(時におじさん)とのおしゃべりだったのだ。

父と同じ大正15年生まれのおばさん。元出版社にお勤めのインテリのおじさんは、宮澤賢治が大好き。蔵書の「宮澤賢治全集」をお借りしたこともある。

昼はおばさん。夜はおじさんの交代制。

お店を閉める理由は、おじさんの体調が思わしくないから。

「最後の日にパーティーしましょうよ」と提案したら

「あの人(おじさん)も私もそんなの嫌いなの。ひっそりと消えたいのよ。」

とおばさん。暮しの手帖に載った時も宣伝しようとしたら、とても嫌がったのでブログには書かなかったのだ。

でも、今回はお許しをもらったので書くことにした。

「写真を撮ってもいいですか?ブログに載せてもいいですか?」

「あなたに言われると、断れないわね〜。」

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最近のおばさん。お手製の帽子とショールがおしゃれ。

「お店は閉めるけど、いるからね〜」

よかった!

最後に買うのは、宮澤賢治とブラックジャック、と決めている。

Photo_4 我が家にある、おばさんからいただいたしおり。

集めたら花束みたいになった。

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コメント

 私も、昨日知りました。

小さい頃から行ってますが残念です。

どなたか存じ上げませんが、ありがとうございます。
たぶん同じ市内にお住まいでしょうね。
りろ書房閉店は、本当に寂しい事です。
本を買うよりも、おばさんとお話するために
通っていた気がします。

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