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上野〜「福田美蘭展」

10月1日(火)
能年玲奈、他局での初食レポ、無事に終了で、ホッとしました。
彼女は、しなやかにたくましく芸能界を生きていけそうです。
(よかったよかった)
こんな風に「あまちゃん」を忘れられずに、能年ちゃんをはじめ関係者が出て来るテレビや新聞雑誌が気になって、落ち着かない方が全国に沢山いることでしょう。
思い切って聖地・久慈へ行ければラッキー。そうじゃない人はそれぞれの形で「あまちゃん」への未練を引きずっているんですね。

かくいう私もその一人。
最終回があった翌日の日曜日、思い立って上野に行ってきました。
第1の目的はずっと行きたかった「福田美蘭展」(東京都美術館)最終日!そして第2の目的は「あまちゃん」第2の聖地・アメ横へ行くこと。

まず、「福田美蘭展」。

Photo

1963年生まれの彼女は、父上が福田繁雄だという重圧など、まったく感じられない、若くして安井賞を受賞するなど、早くから唯一無二の作品を次々と制作して、我々をいちいち驚かせ、楽しませてくれます。
福田美蘭の作品の多くは、内外の著名な歴史的作品を、まったく違うアプローチから切り取ってみせて、我々の凝り固まった「絵画の見方」をぐにゃぐにゃにほぐしてしまうもの。

Photo

チラシより→

今回も北斎の1番有名な浪と富士山の絵を、左右反転させて描いています。しかも、そのタッチが本物の浮世絵そのもの。「モナリザ」のモデルとされるジョコンダ夫人が休憩時間にゆったりくつろいている作品も。ベラスケスの絵画を、召使いから見た角度から見せたかと思えば、それを巷で配られるティッシュに印刷して、「気軽に持ち運べる絵画」にしたり。

ヨーロッパ風の絵画を床に置いて「靴で自由に踏んでください」とあるのには、驚く。

なかなかさっと踏めないものですね。「踏み絵」を疑似体験したような。

そんな圧倒的な技量と、誰も思いつかない角度から絵画を切り取ってみせてきた福田美蘭。あの東日本第震災があった後、彼女は随分悩んだという。現地に行くべきか否か。彼女は結局「行かない」選択をしました。そして、重なるように祖父・林義雄との別れがあった。その前に父・福田繁雄との別れがあった。自宅に届けられる供花たちを描くことから、少しずつ「震災」に向き合えるようになったという。

今回の展覧会で圧倒的だったのは、震災をテーマにした作品たちです。

その部屋だけが、写真撮影を許されました。

Photo_2 「春ー翌日の朝刊一面」

2011.3.12の新聞朝刊を描いた作品。

黒い無機質な見出しと、ショッキングな写真の対比が印象的だったという。

Photo_3

「夏ー震災後のアサリ」

震災後、海のアサリに表面の模様に変化がある、というニュースを見て、描いた作品。困難にもめげず、表面を傷つけながらも生きているアサリに胸を打たれたと。アサリのバックに浮かんでいるのは、海に沈む瓦礫。

Photo_4 「秋ー悲母観音」

足元に浮かぶ幼子を見つめるオリジナルから、直接子を抱く悲母観音に形を変え、より

命を愛おしむ気持を我々に強く訴える。左下に広がるのは、震災後波に浮かぶ船や家などの瓦礫。なんと人間的な慈愛溢れる観音様であることか。

こちらがオリジナル狩野芳崖「悲母観音」。

これらの作品群も素晴らしかったが、圧倒的だったのは、次の2点。

Photo_5

「アカンサス」

東京芸大の象徴である植物・アカンサスをモチーフにした織物を見つけ、その模様の中に父が撮った東京芸大の前にいる本人の写真を描いた。手前左にあるのは、譲り受けて育てているアカンサスの葉。右にある椅子は、芸大からもらった物。

大きくしてみると

Photo_6 布に直接描いたとは思えない、写真そのものを描ききったその技術に圧倒される。

今年同じく印象的だった同じ芸大出身の会田誠作品とは違って、この福田作品は「芸大愛」を強く感じる。様々な作品や事象を料理する(パロディ化と言っていいのか?)画風に共通する2人ではあるが、己が寄って立つ所を壊そうとしている会田に対して、愛している福田。そんなルーツの違いが作品の表現の違いに現れている気がする。

最後に1番胸を打たれた作品。

Photo_7

「涅槃図」

仏様の死を悼んで、様々な弟子や動物たちが周囲を取り囲むモチーフによって、祖父である童画家・林義雄の死を悼んだ作品。真ん中に眠る林義雄。それを取り囲み、悲しんでいるのは、林氏が「キンダーブック」をはじめ子ども達のために描いてきた「むかしばなし」や「三匹の子豚」など様々なキャラクターたち。

ここでも福田美蘭は、祖父の絵柄(水彩画)を殆どそっくりにマスターし、キャラクターたちが、時に身をよじらせながら悲しんでいる様子を描き切っている。小さい頃から、祖父の描く絵を見てきた作者の、愛情深さを感じさせた。

林義雄は明治38年生まれ。武井武雄らと共に、教科書の挿絵でも活躍した(「肉の万世」のキャラクターもデザイン)。福田美蘭の母方の祖父。彼女の「絵を描く血統」に生まれた、その血の濃さも強く感じさせられた。

肉の万世↑キャラクター。

肉の万世HP「万世の謎!?」→「万世美術館の謎!?」に林義雄氏について詳細が。

http://www.niku-mansei.com/contents/02nazo/nazo_03art.html

大変見応えがあった「福田美蘭展」だったが、残念なことに図版が売り切れていた。

とても残念である。後日美術館に問い合わせてみたら、

「今回は巡回はしないので、図版はこれで売り切れです。が、他の公立美術館で展覧会をするお話があるそうなので、図版はまたその時に作られるでしょう。」

とのこと。ぜひ、岩手で「福田美蘭展」を開催してほしいものだ。

父上福田繁雄は岩手の方だし。

さて、日曜日で賑わっている上野。第2の目的地・アメ横へ。

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