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小説「ウエストウィング」は「rodrigo y gabriela」を聴きながら

4月8日(日)
大風大雨は昨夜のうちに消え去ったようです。
それにしても雨が降り出す前の南風は温かかった。
これは?と思って洗濯物を干してみたら、乾く乾く。
予報で雨!と出ていても臆せず洗濯機を回してみると、
案外いけることもあるのです。

今年読了した2冊目の小説は
「ウエストウイング」(津村記久子 著/朝日新聞出版)
Photo 「冷血」上下(高村薫 著)が重く厳しい小説だったので、少し明るい気持ちになりたかった。
津村記久子さんは「ポトスライムの夜」で芥川賞を受賞。この作品が私の心にど真ん中ストライクだったので、楽しみにしてました。

「ウエストウイング」は大阪の大きな雑居ビル「椿ビルディング」で働く人々のお話。
椿ビルディングは東棟と西棟に別れていて、主な登場人物たちは西棟(ウエストウイング)のテナントにいる人々。仕事に揺れ、同僚の恋愛に揺れ、中学受験に揺れ、老朽化してきた椿ビルディングの行く末に揺れる。
煮詰まっている3人がビルの隅っこにある物置きスペースで、夫々息抜きしているうちに、お互いを名乗らないままに物々交換が始まる。その過程もなかなかスリリング。

昨日の雨のように激しいゲリラ豪雨がビルを襲う。
次々と降り掛かる災難。お互いに顔も知らない仲だった、テナントの人々が大小のアクシデントをきっかけに、少しずつ関係が出来てくるのが、なんとも暖かい気持ちになる。
田舎の暖かさではなく、都会の人間同士の暖かさ。

この小説を読みながら、後半意識してかけていた音楽があった。
Cd

rodrigo y gabriela」(ロドリーゴ イ ガブリエーラ)

ロドリーゴとガブリエーラのメキシコ出身の男女ギターデュオ。

Rodrigo_y_gabriela 左がガブリエーラ・クインテーロ。右がロドリーゴ・サンチェス。

夫々共にヘヴィ・メタルファンでバンドを結成していたが、より多彩なギターを学ぼうと、2人が向かったのは、アイルランドのダブリン。そこで「はじめて冬を知ったわ」と、ガブリエーラ。音楽の都ダブリンで腕を磨き、彼らはみるみる頭角を現す。

彼らの演奏には歌はない。ギターをひたすら激しくつま弾き、叩き、叫ぶ。ギターが弦楽器だけではなく、太鼓になり、歌う、強く、速く。シンプルな楽器を2人は魔法のように扱ってしまうのだ。観衆はまるで火がついたように熱狂する。彼らの好きなロックとメキシコの魂が見事に溶け合う。初めて聴くのに、懐かしいのは、そのためか。

なんと言っても驚くのはレッド・ツェッペリンの名曲「天国への階段」を2本のギターで完全に演奏してしまったこと。名曲への彼らの尊敬の気持ちを感じる。

このCDはDVDと2枚組。彼らのルーツやライブの様子がよくわかって楽しい。

このアルバムの代表作と言っていい「TAMACUN」という曲名は、メキシコの太平洋岸南部ジワタネホの野生ワニ保護区でボランティアでワニの世話をしている老人の名前だ。この保護区には90匹のワニがいる。DVDでは、ワニに餌をやったり、ワニの背中に乗ったり(!)と、ワニと仲良しの老人の姿に驚いてしまう。

ガブリエーラはなかなか気が強くてチャーミングな女の子だ。

一方のロドリーゴは穏やかで情熱を内に秘めている(彼はサッカー選手になりたかった)。ガブリエーラとの息がピッタリ。

さて、小説「ウエストウイング」を読んでいたら、こんなくだりがあった。

インカの原住民とラテン系の混血は、メスチーソというらしい、と晩ご飯の時に母親に言うと、そうよね、と事も無げに返されたのが意外だった。確かに、ロドリゴという名前は、母親が聴いているメキシコ出身の男女ギターデュオの名前から取ったので、母親と中南米の親和性はそれなりにあるようだ。

登場人物の1人、小学生のヒロシは、椿ビルディングの中にある中学受験向けの塾に通っているが、勉強に今ひとつ身が入らない。絵を描いたり、物語を作る方が好きな少年だ。彼の作る物語の中に「ロドリゴ」「メキシコ出身のギターデュオ」とあったので、もしやと我が家のCDをガサゴソと探したら、あったのだ。旦那さんがタワーレコードで見つけたCD。

あぁ、ヒロシのお母さんも彼らのファンなのか。

それに気付いたら、自然とこのアルバムを掛けながら続きを読むようになった。

音楽を掛けない時も、頭の中でギターが響くようになった。

そして、椿ビルディングの人々の様子がまるで映画を見ているように極彩色に浮かび上がる。ネゴロ、ヒロシ、フカボリの3人だけではなく、カフェのマスターや文房具屋のお姉さんの顔も。椿ビルディングの雰囲気も。

ヒロシが夢中になって絵を描いたり消しゴムはんこを制作している時、

ロドリーゴとガブリエーラはバックで激しくギターを弾いている。

そうあってほしいと思う。

Photo_2

「ウエストウイング」の著者、津村記久子さんです。(雑誌「クーネル」より)

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