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「マイケル・ジャクソン」「生きるとは自分の物語をつくること」

9月23日(木)秋分の日
すごい雨です。ぐっと涼しくなってぶるる。

涼しくなったので漫画愛読週間をやめて、本をぼちぼち読むことにしました。
最近読み終わった本を2冊ご紹介します。

マイケル・ジャクソン(西寺郷太 著/講談社現代新書)
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マイケルとそのファミリーをこよなく愛する著者が、渾身の力を振り絞って書き上げた、マイケル・ジャクソンの新しい 入門書。ファミリー1人1人について詳細に記述があり、それぞれとマイケルの関係や相性、誰がどんなアルバムを出したかまで記述。彼が過酷な少年時代を過 ごしつつ、もの凄い努力でスターになっていった課程も。
何と言ってもあの幼児虐待疑惑についての検証のくだりは、まるで1級の推理小説のよう。
「なぜマイケルは誤解されたか」という帯に大きくあるように、人々に誤解されてきたマイケル。

彼はとても真摯で誠実、でも、とてもとても不器用だったのだ。

最後のライオネル・リッチーの言葉に思わず涙してしまった。

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「生きるとは、自分の物語をつくること」

(河合隼雄・小川洋子 共著/新潮社)
珍しく、書店で題名に惹かれて選んでしまった。臨床心理学者の河合隼雄氏と「博士の愛した数式」「ブラフマンの埋葬」などの小説家・小川洋子の対談集。

なんとこの対話は河合氏の最後の対話になってしまった。まずは「博士の愛した数式」を読んだ河合氏が、博士と少年ルート君との関係を通じて語る「友情」の話。

河合 この本(※「博士の愛した数式」)読んでものすごく嬉しかったのは、僕「大人の友情」(朝日新聞社)という本を書いたんです。

小川 はい、読ませていただきました。

河合 男性と女性、大人と子供、それに障害のある者とない者とか、みんな友情が成立するんだということを一生懸命書いたんです。それの見本みたいな小説なんですね、これは。

小川 この小説の中で一番友情が成立しそうにないのは、常識的に考えると、博士とルート君ですよね。最も年齢が離れているし、知識の量も違いますし。ところが、彼らの間に一瞬にして友情が成立する。

河合 僕はね、むしろそういう関係が一番、友情ができやすいと思います。一瞬にしてパッと、純粋にね。他の関係だと、下手すると恋愛感情とかいろんなものが入ってきますから。

(中略)

河合 彼らは、実はすごく似てるんです。博士は、ある意味で子供。障害者なんです。だから、普通の大人の世界から言 うと違う世界にいる。そういう点で、子供はピタッとくるんですね。社会的判断というものから子供はフリーなんです。大人の社会的判断とは関係なしにスーッ と素直に入っていける。それがルーツを同じくすると言うんです。

小川 なるほど、ルートという名前にも意味があったんですね。

他にも「箱庭療法」の話とか「偶然」についてとか、河合先生が日々カウンセラーのお仕事を通じて体験した貴重なお話が次々と出てきて、あぁ「本はありがたいな。こんないい話を何度でも繰り返して読むことができる。持ち運びもできるし。」と、しみじみ思いました。

カウンセラーは、「これから自殺します」などという方も相手にしなければならない「命がけの仕事」。

どんなにか精神的に辛いことだったろうか、と想像していたら。

小川 秘密を守らなくてはならないという先生のお仕事は、すごく苦しくて大変でいらっしゃるのでしょうね。

河合 簡単な話で言うと、「私は人を殺したんです」なんて聞くと、しんどくて持ちきれないでしょ。でもそのことを誰かに言うことができたら、ちょっとスーッとするでしょ。年をとると、そういうのを全部持てるようになってくるんですよ。

 僕はこの頃よう言ってるんですけど、「僕はアースされてるから大丈夫」なんです。

小川 通り道になっているっていうことですか。

河合 うん、それで、最後は地球にお任せしてるってね(笑)。 

そして、河合先生は「それからね、もう、すぐに忘れます。」と続けます。でも、その時はきれいに忘れてしまうのに、同じクライアントさん(相談者)が3年後に再びみえたとき、ちゃんと以前の話を思い出すのだそう。

なんという能力でしょう。こんな河合さんのような方がいつもそばにいたら、と思います。でも、本当に「忘れる」ことができるまでは、苦しかったことでしょう。

小川洋子さんは、さまざまなインタビューの中で「なぜ小説を書くのですか」と質問されるのが苦痛でたまらなかったそうです。でも、先生との対話や著作に触れ、書くことの意味が何の無理もなくスムーズに心の中心へと染みこんでゆくのを感じたそうです。

私も映画「カラフル」という映画を観て、「死」や「もういない人」にばかり拘泥せず、「今そばにいる人」を大切に思 いなさい、という強いメッセージをもらい、「今やっと生まれたような」気持ちになることができました。原作は森絵都さん。まさに、「物語」によって「生き 直す」ことができたのです。

河合隼雄の著作、色々と読んでみたくなりました。

う〜ん、重い内容になりましたが、「お彼岸」だから許してください。

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